JR九州の上場時期は2016年秋と見込んでいます。
(上場時の時価総額は5000億円〜7000億円ともいわれています)
1.法的な支障がなくなった
2.営業損益が黒字転換した
3.財務基盤の難
が理由です。
1.法的な支障がなくなった
・JR会社法改正案が閣議決定(2015年2月27日)
JR九州をJR会社法の適用対象から外し、
原則的に国の関与を受けずに経営ができるようになりました。
(6月3日に国会を通過)
2.営業損益が黒字転換した
2015年3月期の営業損益が、
前期の19億円の赤字から18億円の黒字に転換する見通し
=政府が上場にゴーサインを出した
3.財務基盤の難
・本業の鉄道でいまだ赤字
(2009年3月期から2015年3月期)
=2014年3月期は156億円まで拡大
・関連事業の営業黒字
「アミュプラザ」=不動産事業
184億円の黒字(2015年3月期)
・運輸サービスの割合と赤字(132億円)
JR東日本:79.8%=黒字
JR西日本:77.6%=黒字
JR東海:89.0%=黒字
JR九州:48.8%=赤字
(営業収益(売上高)に占める運輸収入の割合)
・財務指標のROE(自己資本当期利益率)(上場直前)
JR東日本が10.7%
JR西日本が9.4%
JR東海が8.0%
JR九州は2.0%
・国からの「経営安定基金」(3877億円)
(JR九州は、1987年の旧国鉄の分割・民営化の際)
=運用益で鉄道事業の赤字を埋め合わせてきた。
上場前に九州新幹線鹿児島ルートの施設使用料の前払いや、
借入金の返済などにあてて使い切りますので、
代償として国は上場で3000~5000億円程度の株式売却益を得るはずです。
・ライバルの高速バス
西鉄高速バスが50%以上のシェア(19路線)
JR九州バスは5路線
西鉄(西日本鉄道)=ROE7.8%
(JR九州は2.0%)
・九州新幹線・長崎ルートの開通が頼み?
・ななつ星in九州の収益化は?
・鉄道事業の赤字縮小(高速バス対策)
・駅ビルの適地が限られている
・中国や韓国からのインバウンド消費がいつまで続くか?
など課題は山積みのように見えます。
2016年注目の大型IPO案件ですが、
・どこまで初値高騰するか?
・株主優待は?
・配当は?
・長期目線での繁栄は?
今後も動向追います。